ものづくり補助金 申請ガイド

2023.04.06
ものづくり補助金
申請ガイド|2023年版
[ 本ページの目次 ]
1.補助金の基礎知識
1.補助金は原則返済不要
- よく、「でも、返済が必要なんですよね?」と聞かれますが、補助金は原則返済不要です。
- 国が、主に中小企業の支援のために、毎年予算を組んで募集している、返済不要の事業資金が『補助金』です。
- 補助金をもらうデメリットはほとんどないので、申請対象なのに申請しないのは、単純に損かもしれません。
2.補助金は売上が上がっていても申請OK
- よく、「今期は売上が上がっていて…」とご相談頂くことも多いですが、ご安心ください。『事業再構築補助金』等、一部、例外的に売上が下がっていないと申請できないものがありますが、原則的には売上が上がっていても採択されます。
- 『売上が下がっていないともらえない』のは、『新型コロナ』対策で支給された、『給付金』です。補助金は、『新型コロナ』向けに用意されたわけではありません。『新型コロナ』の感染拡大の前から、ずっと公募され続けていたのです。
3.補助金は給付金とは違う
①『給付金』は、書類が揃えば、必ずもらえる
- 給付金は、『売上減少』など、条件を満たした事業者が、必要な書類を準備すれば、必ず支給される制度となっています。
- 例えば、『持続化給付金』の目的は、新型コロナで売上が落ちてしまった事業者に対する、売上の補填でした。そのため、対象者は、申請すれば、必ず給付を受けることができました。
②『補助金』は、書類が揃っても、もらえるとは限らない
- 補助金は、必要な書類を準備しても、『他社より優れた計画書』を作って、採択されなければ、支給されません。そういう意味で、特権的な制度となっています。
- 最近の補助金では、申請した事業者の3~6割程度が採択されています。
※過去の『小規模事業者持続化補助金』では、採択率が1割程度だったこともありました。
4.補助金はキャッシュバック型
- 補助金は、経費を使って、それを報告し、認定された分について、後から戻ってくるキャッシュバック型です。
- 計画申請をして、その締切から2~3か月で採択発表。交付決定を経て半年程度で経費を使い報告。報告が認定されて、初めて入金に至ります。
- 計画申請から入金までは、長ければ1年程度かかります。経費は先出しになるので、その間の資金調達が重要です。
5.補助金による資金調達
- 補助金に採択されると、金融機関などから融資が受けやすくなる場合があります。
- 『補助金が入金されたら返す』というような借り方をすれば、事実上、『補助金の先払い』を受けた状態になります。
- 中小企業の場合は、信用金庫が借りやすいです。ただし、行けば簡単に借りれるというわけではありません。だいたい皆さん、3~4行は話を聞きに行っています。
- 担当者が、補助金のことを理解していない場合も少なくありません。補助金のことを理解していて、自社の事業をきちんと考えてくれそうな担当者から、融資を受けるようにしましょう。
2.ものづくり補助金の申請準備
1.補助金の公募要領(概要版)を確認する
- 本資料は、『ものづくり補助金』がどういうものなのか、説明したものです。
- まず重要なのが、2ページ『経営革新の類型』です。これに当てはまる内容でなければ、本補助金は申請できません。
- 5ページからの『補助対象経費』も重要です。これで使いたい経費がなければ、本補助金は申請しても意味がありません。
<ダウンロード>
2.補助金の公募要領を確認する
- 補助金の公募要領は、申請が完了するまで、何度も見ることになります。スマートフォンなどに保存して、いつでも見れるようにしておきましょう。
- p14から、補助金の類型が書かれています。『回復型賃上げ・雇用拡大枠』や『デジタル枠』は、ピッタリはまる会社にとってはお得なコースです。じっくり検討しましょう。
- p20からは、補助対象経費について、細かく記載があります。補助対象になるものとならないものを、しっかり判断する必要があります。
- p27からは、『応募申請にかかる留意点』が書かれています。計画書の記載内容や、審査項目が書かれていますので、しっかり読んでおく必要があります。
- p29からは、『ファイル名』に関する指示があります。必要な書類について、適切なファイル名で保存するようにしましょう。
- p33からは、審査基準の記載があります。計画書の作成の際には、ここに書かれている内容が漏れないように気を付ける必要があります。
<ダウンロード>
3.補助金の電子申請アカウントを取得する
- 公式ページ
https://gbiz-id.go.jp/top/ - プライム申請ページ
https://gbiz-id.go.jp/app/rep/reg/apply/show - 『gBizID』には、『一般アカウント』と『プライムアカウント』の2種類のアカウントがあります。補助金の申請は、『プライムアカウント』からしかできないので、『プライムアカウント』を作成しましょう。
- 入力だけでは登録は完了しません。プリントアウトし、押印・郵送しなければなりません。そのプロセスを忘れないようにしましょう。
3.補助金の対象になる経費の例
①補助対象経費の全体像
機械装置・システム構築費 ⇒事業で用いる設備・備品・ソフトウェア等の購入費 他 |
技術導入費 ⇒知的財産権等の取得 他 |
専門家経費 ⇒コンサルティング費・旅費 他 |
運搬費 ⇒運搬料・宅配料・郵送料 他 |
クラウドサービス利用費 ⇒クラウドサービス費・ウェブプラットフォーム費・サーバ利用費 他 |
原材料費 ⇒試作品の原材料・副資材購入費 他 |
外注費 ⇒加工・設計・デザイン・検査等の費用 他 |
知的財産権等関連経費 ⇒特許権出願手続代行費用・外国特許出願のための翻訳料 他 |
海外旅費 ※グローバル展開型のみ ⇒海外渡航費・宿泊費 他 |
②補助対象外となる経費
- 不動産、自動車等車両、船舶、航空機等の購入費・修理費・車検費用
⇒公道を走らない自動車等は補助対象となる場合がある - パソコン、プリンタ、文書作成ソフト、タブレット端末、スマートフォン、デジタル複合機等の購入費
- 事業に係る自社の人件費、旅費
4.補助金計画書の作り方
1.補助事業の具体的取組内容

2.将来の展望

3.会社全体の事業計画

5.補助金FAQ
1.必要書類が少ないので早めに申請する
①必須書類を揃える
- 補助金の計画書
- その1:補助事業の具体的取組内容
- その2:将来の展望
- その3:事業計画における付加価値等の算出根拠
- 賃金引上げ計画の誓約書
※注意
上記は、一般的な申請方法の場合です。事業者によっては、必要書類が変わる場合がありますので、必ず『公募要領』をご確認ください。
②添付書類を揃える
☑ 個人の場合
- 確定申告書等
☑ 法人の場合
- 直近2年間の貸借対照表、損益計算書等
- 3か月以内の登記(PDFデータでOK)
2.補助金申請後も気を付ける
①『交付申請』は早めに行う
- 本補助金では、『採択された後』の方が大変です。そのうちの1つが、この『交付申請』です。
- 『交付申請』は、見積・相見積を揃えて、仮の補助金額を確定する作業です。
- 『交付申請』の段階で、見積・相見積を依頼する必要があるものの、『交付決定』まで時間がかかるため、そのまま『発注』してよいのかどうかが分かりません。非常に厄介な状況となります。
- さらに、『補助金のつなぎ融資』をしようと思っている事業者は、『交付申請』に対する『交付決定』が出るまで、『融資』は実行されません。そのため、『交付決定』が出るまで身動きが取れないということになる事業者も少なくありません。
②『実績報告』を先に理解しておく
- 上記のように、『ものづくり補助金』で取得した『物』については、『ものづくり補助金で取得した』旨を表示しなければなりません。
- 本補助金で、様々なものを購入・調達できますが、広告・機械装置などにも、この表示をしなければなりません。
- これを知らないまま『発注』等してしまうと、最悪の場合、『補助対象外』とされてしまいます。要注意です。
3.実績報告に気を付ける
①『機械装置・システム構築費』のポイント
- 購入物件ごとの納品前後の写真及び送付伝票の写真を撮影する。
- 補助対象物件及び付属品に「R1 もの補助」の表示を行う(シール、マジック等)。
②『外注費』のポイント
- 契約書を整備する。
- 試作品、加工品の加工前後の写真及び授受した際の送付伝票の写真を撮る。
- 補助対象物件に、「R1 もの補助」の表示を行う(シール、マジック等)。