はじめに
仕事柄、事業計画書を作りたいと相談されることが少なくありません。主に依頼される事業計画書は、以下の2つです。
- 銀行等から融資を受けるための事業計画書
- 補助金等に採択されるための事業計画書
この2つの事業計画書の作り方は、全く異なります。その違いを見ていきたいと思います。
事業計画書の違い
目的の違い
融資の場合
「堅実に返済できます」ということを説得するために作ります。
補助金の場合
補助金の目的に合う『社会的意義』を達成できるということを説得するために作ります。
- ものづくり補助金:「生産性を高められる」という目標を達成できる
- 持続化補助金:「企業の持続化に資する集客ができる」という目標を達成できる
重要となる書類の違い
融資の場合
- 融資を受ける前と後で収支がどうなるかについての書類
- 資金繰りについての書類(キャッシュフロー計算書)
- 予想外のことが起こった場合の判断基準についての書類
補助金の場合
- プロジェクトの背景についての記述(既存事業の概要や課題など)
- プロジェクトの優位性についての記述 (マーケティング情報など)
- プロジェクトの実現性についての記述 (体制・資金調達力・技術力など)
補足
融資を受ける場合にも、プロジェクトの背景・優位性・実現性についての説明は必要です。
その説得のレベル、集めなければならない資料・説得材料の質・量などは、調達したい金額によって大きく異なります。
ただし、それらの資料も、あくまで『返済能力』を説明するための一資料でしかありません。
また、補助金の事業計画書でも、キャッシュフローなど、資金に関する資料を添付しなくて良いわけではありません。
ただ、中小企業向けの補助金では、『目標』『願望』のレベルでも、説得力があれば通ります。
この違いは、お金を返さなければいけないのか、使うだけで良いのかという違いから発生します。