持続化補助金、計画書の作り方が知りたい

1.はじめに

小規模事業者持続化補助金の計画書を作るにあたっては、必ず、事務局が公式に発表している資料も参照してください。
  • 公募要領:審査基準が書かれています
  • 公式作成例:個々の項目で書くべき内容が書かれています

2.公式作成例をきちんと見る

以下の画像は、公式の作成例の、『1.企業概要』部分です。
持続化計画01.jpg

3.計画書の記載内容、こんなに簡単で良いの?

残念ながら、この程度の記載では、補助金は採択されません。
『小規模事業者持続化補助金』は、公募が開始されてもう10年にもなります。また、私たちも、5期連続採択されていますが、そんな事業所がゴロゴロいます。
そういう中での競争になりますので、採択されたければ、『少しでも良い計画書を作る』ことが、重要です。

4.公式作成例の活用法

ポイントは、以下の2つです。
  • 書かれている項目を参考に、書かれている項目よりも、丁寧に詳細に書く
  • 下の方に記載のある「お書きください」はなるべく漏らさず書く
一番良い作り方は、様式2をダウンロードして、公式作成例の記載部分を、コピペします。それを改善していく形で作っていくと、記載の抜け漏れも防げますし、良い計画書が出来上がると思います。

5.公式作成例の改善例①『概要』

当店は、2017年に創業し、地域内外のお客様へのサービスを開始した。他の珈琲店では味わえないこだわりの珈琲豆を丁寧に焙煎し販売しており、地域の住民や若者にご利用いただいている。

要素を分解してみましょう。
  • 2017年に創業
  • お客様は地域内外
  • 他の珈琲店では味わえないこだわりの珈琲豆
  • 丁寧に焙煎し販売
  • 地域の住民や若者にご利用頂いている
採択を目指すなら、こういう内容を、しっかり盛り込んで作文します。

当店は、2017年に、この地域で創業した。それ以来、地域の住民の方、特に若者を中心にご利用頂いている。

当店の特徴は、『他の珈琲店では味わえないこだわりの珈琲豆』だ。具体的には、店主が直接買い付けに行き、気に入った豆を仕入れている。本当に気に入ったものだけを買っているので、店内にあるのは、常に良質な豆のみだ。大量購入はできないので、1つ1つが貴重であり、それを丁寧に焙煎して販売している。

創業当初は、知る人ぞ知る珈琲豆店だったが、その丁寧な仕事が評価されたのか、今では地域外からも購入しにいらっしゃるお客様がいる。

これだけ書いても、MicrosoftWordなら、4~5行程度です。店頭の写真なども紹介しながら、初めて読む人が、「どういうお店だ」とイメージできるように書く必要があります。

6.公式作成例の改善例②『3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み』

●品質の高いコーヒー豆
高品質なコーヒー豆のみを扱うことにより、顧客から「香り」「味」に高い評価を得ている。
●手間暇をかけた焙煎
業務用焙煎機を使い、コーヒーの産地に合わせて温度管理と時間を調節しながら焙煎を行う。加えて、焙煎前と焙煎後に欠点豆を手で取り除く選別作業を行う。
●充実した贈答用セット商品
贈答用の箱を10種類(小さいものから大きなものまで)用意しているため、顧客の予算などに応じて、様々な組み合わせが出来る。
●顧客第一のサービス
日々寄せられるお客様からの意見やニーズを商品に反映できるように日々改良を重ねている。

この『強み』の部分は、多くの方が、書き方に苦労していますね。この『顧客第一のサービス』なんて、もはや強みでも何でもありませんし…。
慣れた人であれば、こんな風に整理します。

●珈琲豆の仕入れに店主の強いこだわり
卸業者からの一括仕入れではなく、原産国・生産エリア・農園などを指定するなど、店主のこだわりで直接輸入しております。
(実際に仕入れた豆やその特徴などを画像などを用いて解説)
●焙煎にも店主の強いこだわり
焙煎したての豆をお届けすることにこだわっています。高速焙煎機で焙煎、専用の冷風機で素早く冷却して梱包致します。
(他店ではどうしているか、自店舗ではどうしているかなどを、画像などを用いて解説)
●贈答セットが充実
少量でも大容量でも、様々な量に対応できる贈答用の箱をご用意しております。予算に合わせてご相談頂けます。
(商品の価格などを画像などを用いて解説)

7.公式作成例の改善例③『4.補助事業の効果』

●店舗事業における効果
店舗事業において折り込みチラシを配布することにより、2022年12月に顧客数が○○人から○○人と大幅に上昇すると見込んでいる。補助金効果により増えた新規顧客のうち、2023年1月以降も固定客となるのは、そのうちおよそ 30%と見込む。

この『効果』の部分は、元々妄想・願望が中心です。しかし、だからといって、こういう根拠のない願望では、さすがに補助金には採択されないだろうと思います。
事業計画に慣れた人であれば、最低でも以下のような書き方をします。

●新聞折込の効果
新聞折込の枚数は、全部で20万枚。正確な効果測定のため、小出しにせず、2022年11~12月に集中的に配布する。反響率は0.1%と見て、新聞折込客が200人来訪することを期待する。このうち、従来の再来店率が30%程度なので、60人程度が固定客として再来店することを見込む。

妄想・願望ではあっても、単に思っただけではなく、『新聞折込の反響率』『従来の再来店率』など、数値の根拠が示されています。
さらに、『補助事業の効果』は、売上・利益で把握されるべきです。直接的又は間接的に、そこにつながらないのであれば、補助金を支給する意味もありません。
そこで、以下のようなことも記載しておきましょう。

現在の客単価は1人2千円程度。200人の来訪で40万円の売上となる。また、30%が再来店した場合、12万円分の再来店売上となる。新聞折込の配布経費が84万円、原価が●%程度なので、●回再来店してもらえれば、本施策は黒字化できる。

8.補助金申請、ご相談ください

このように、補助金の申請には、慣れていないと難しいですが、慣れていると簡単・当たり前という内容が、たくさんあります。採択されたいと思ったら、ぜひ、私たちのような慣れた人間をご活用ください。お問い合わせ、心よりお待ち申し上げます。
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